しかし、よく考えると、中途半端な存在で、利用価値が見当たりません。理由は3つに分かれます。
手数料の安さが目当てならアメリカ国債を直接買ったほうが有利。バンガードのETFの手数料は抜群に安いですが、無料の直接購入には勝てません。いろいろな償還期間の国債を自動的にはしごするシステムも、Fidelityが用意してくれていて、分散の手助けになります。
ハイリターンが目当てなら株にまかせたほうが有利。バンガードのETFの一部には、国債のほかに、社債や住宅ローンなどの、比較的ハイリスクなものも入っています。これらは国債に比べて、株との相関が高めらしいです。そもそも債券をポートフォリオに入れるのは株との相関の低さゆえなのですから、これは不要です。しかも債券は株に比べて節税効果が薄いです。社債でハイリターンを狙うのは、株で狙うより不利なのです。会社の倒産リスクをとることには変わりないのにです。
頻繁に売買する流動性・手軽さが目当てなら投信のほうが有利。これはETFと投信の比較でよく言われるとおりです。
ということで、アメリカ債券ETFはいらない、との結論に私はいたりました。間違いがあれば、ぜひご教示ください。
(ちなみに、これと似た結論を、モーニングスターが出しています。根拠に一部うなずけない部分がありますが。)
以上はアメリカの投資家にあてはまる話です。
日本の投資家にとっては、以下の理由で、アメリカ債券ETFがお買い得になりえます。
現状ではアメリカ国債購入のほうが投信よりも有利です。たとえば日興コーディアルではアメリカ国債を、リーズナブルな手数料で売っています。
しかし、ETFが日本国内で売り出された場合、販売費・信託報酬が日興コーディアルなどの国債購入仲介料より安いなら、ETFが有利になりえます。購入規模・税制などにもよりますが。
バンガードのアメリカ債券ETFは、アメリカの投資家にはメリットがないのに、日本では比較優位、というこっけいな商品となるかもしれません。
(追記4月29日)あくまで「かもしれません」です。投資手法や環境は投資家個人によってまた時によって異なるから、債券ETFは日米において有意義になりえます。(水瀬さんご指摘ありがとうございます!)なおこの点については梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーのこの記事とコメント欄で議論されています。アメリカ国債の流動性は高く、売買費用もETFとほとんど変わらないことについて、後日書きたいと思っています。
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債券に関する参照記事:どんな債券を持つか
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